法定相続情報一覧図では、
申出人を誰にするのか決めることと、
申出人が誰なのかを記載することが必要になります。

ただ、その前に「誰が申出人になることができるのか?」、
「申出人であることを、どこにどの様に記載すれば良いのか?」
について正確に知っておく必要があるのです。

もし、申出人や申出人の記載に間違いがあれば、
あとで困ることになってしまいます。そこで・・・

そこで、法定相続情報一覧図の申出人について、
相続専門の行政書士が、次の順番で、
具体的にわかりやすく解説いたします。

この記事の監修者

行政書士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:行政書士、土地家屋調査士。
主な取扱い専門分野:遺産相続手続き全般。

経歴:開業以来15年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行ってます。
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このページを閲覧することで、申出人になれる人や、
申出人の記載箇所と記載方法がすべてわかります。

申出人になれる人とは?

申出人になれる人は、次の1又は2に該当する人です。

  1. 相続人
  2. 相続人の地位を相続によって継承した人

ただし、相続人なら誰でも申出人になれるわけではありません。

まず、1の相続人についてですが、
被相続人の出生から死亡までの戸籍に、
名前が載っている相続人が、申出人になれます。

そして、代襲相続がある場合には、
被代襲者の戸籍に名前が載っている相続人も、
申出人になることができます。

なぜなら、申出人になれる相続人とは、
「被相続人(又は被代襲者)の出生時からの戸籍、および、
除かれた戸籍の謄本への記載によって確認できる者」、
と不動産登記規則第247条で明記されているからです。

そのため、ほとんどの相続人は申出人になれます。

たとえば、父(又は母)が死亡した場合、
戸籍上の子供であれば全員、
実子も養子も申出人になることができます。

亡くなった方の兄弟姉妹や甥姪が相続人になる場合には、
それぞれ申出人になることができるのです。

ただし、申出人は誰か1人に決める必要があります。

相続人が数人いる場合に、
全員が申出人になることはできませんし、
申出人を数人に決めることもできません。

相続人の内からどなたか1人、
申出人を決める必要があるのです。

「相続人の地位を相続によって継承した人」とは?

次に、2の「相続人の地位を相続によって継承した人」とは、
数次相続(すうじそうぞく)が発生している場合の相続人のことです。

たとえば、Aさんが死亡した後で、
その子供Bさんも亡くなり、孫Cさんが相続人になるケースです。

このケースでは、Aさんの相続について、
Cさんは「相続人Bの地位を相続により継承した人」になるので、
Cさんは申出人になることができるのです。

申出人を適当に決めてしまうとあとで困ることも!?

何も考え無しで適当に申出人を決めてしまうと、
あとで困ることもあります。

なぜなら、法定相続情報一覧図や、
必要書類に不備不足があった場合には、
申出人がその対応をすることになるからです。

また、申出できる4つの法務局の内の1つに、
「申出人の住所地の法務局」があり、
申出人を誰にするのかによってその法務局も決まってきます。

結果、近くの法務局になったり、
遠方の法務局になったりするわけです。

さらに、「法定相続情報一覧図の写し」の期限切れ等の理由で、
「法定相続情報一覧図の写し」の再交付が必要になった場合、
再交付の申出ができるのは、当初の申出人です。

当初の申出人以外は、委任がない限り、
相続人であっても再交付の申出はできません。

たとえば、被相続人(亡くなった方)に、
長男、二男、長女の3人の子供がいた場合、
3人とも相続人なので申出人になることはできます。

しかし、当初の申出人に長男がなれば、
「法定相続情報一覧図の写し」の再交付の申出人には、
同じ長男しかなれないということです。

つまり、申出人を誰にするのかによって、
次の3つのことに影響することがあるわけです。

  1. 法定相続情報一覧図など必要書類の不備不足の場合の対応
  2. 提出先の法務局
  3. 「法定相続情報一覧図の写し」の再交付の場合の申出人

そのため、上記3つのことを考えた上で、
できるだけすべてに対応できるベストな相続人を1人、
申出人に決めると良いのです。

申出人であることを、どこにどの様に記載すれば良い?

申出人についての記載が必要なのは、
基本的に、法定相続情報一覧図に1ヶ所と、
申出書の1ヶ所のみです。

まず、法定相続情報一覧図には、下図1のように、
申出人になる相続人の氏名の右横に、
黒色ボールペンまたは印字で、(申出人)と記載します。

法定相続一覧図で申出人の記載箇所と記載方法
(図1:法定相続一覧図で申出人の記載箇所と記載方法)

次に、下図2の申出書の「申出人の表示」欄に、
申出人の住所と氏名、連絡先、被相続人との続柄を、
黒色ボールペンまたは印字で記入して、申出人の印を押します。

申出書の申出人の記載箇所と記載方法
(図2:申出書の申出人の記載箇所と記載方法)

申出人であることを記載する箇所は、
以上のように、法定相続情報一覧図に1か所と、
申出書に1か所の合計2ヶ所のみです。

なお、法定相続情報一覧図については、
法定相続情報一覧図とは?」、
法定相続情報一覧図の見本とテンプレート集」、
法定相続情報一覧図の作成方法・手書きOK?」で、
それぞれくわしく解説しています。

申出書の様式、書き方、最新様式のダウンロードについては、
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」を参照下さい。

ただし、郵送で書類を提出したり、受け取る場合は、
もう2か所、申出人の住所と氏名の記載が必要です。

郵送で書類を提出したり受け取る場合には、
法務局宛てに送付する封筒と、申出人宛てへの返送用封筒に、
それぞれ申出人の住所と氏名を記入しておく必要があります。

法務局宛てに送付する封筒も、返送用封筒も、
配達記録のある郵便局のレターパックを利用すると良いです。

ただ、返送用封筒の届け先の宛名には、
申出人の本人確認書類と同じ住所と氏名を記入して、
切手の貼付けが必要な場合は、切手も貼っておく必要があります。

もし、申出人の本人確認書類の住所氏名と異なる住所氏名を、
返送用封筒の届け先の宛名に記入したとしても、
法務局から返送してもらえないので注意が必要です。

なお、郵送による制度の利用方法については、
法定相続情報証明制度の利用を郵送で行う方法」で、
くわしく解説しています。

申出人は何をする人?申出人の役割は?

申出人の役割を具体的に列挙しますと、次の役割があります。

  • 法定相続情報一覧図や申出書などの必要書類を作成する。
  • 法定相続情報一覧図や申出書などの必要書類を法務局に提出する。
  • もし、必要書類に不備不足があれば、修正や補う対応をする。
  • 「法定相続情報一覧図の写し」などを法務局から受領する。
  • 必要なら、「法定相続情報一覧図の写し」の再交付の申出をする。

つまり、申出人の役割は、相続人全員を代表して、
法定相続情報一覧図や申出書などの必要書類の作成と提出から、
「法定相続情報一覧図の写し」を受領するまでのすべてということです。

なお、「法定相続情報一覧図の写し」については、
法定相続情報一覧図の写しとは?」で、
くわしく解説しています。

「法定相続情報一覧図の写し」の再交付については、
法定相続情報一覧図の写しの再交付の方法」を参照ください。

申出人の役割で一番大変なのが6つの書類の用意です。

法定相続情報一覧図や申出書など、
制度の利用に必要な6つの書類については、
法定相続情報証明制度の必要書類」でくわしく解説しています。

もし、申出人の役割が負担になるようでしたら、
代理人に委任することで、
申出人の役割はすべて代理人に引き継ぐことも可能です。

申出人から代理人への委任については、
法定相続情報証明制度の代理人は?」を参照下さい。

以上が、法定相続情報一覧図の申出人についての解説となります。

もし、法定相続情報一覧図の写しの取得でお困りの方は、
法定相続情報一覧図の写しの取得に困っていませんか?
のページで、楽に解決する方法もあります。

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