この記事の監修者

行政書士・土地家屋調査士 寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
保有資格:行政書士、土地家屋調査士。
取扱い分野:法定相続情報証明制度など相続関連手続き全般。

経歴:開業以来17年間、相続手続きに関する業務を行っています。
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法定相続情報証明制度を利用するには、
大きく分けて、次の①~③の3つの作業が必要になり、
それぞれの作業にかかる日数の目安は、次の通りです。

① 必要な戸籍謄本等の取得作業にかかる日数・・・1日~数ヵ月

② 法定相続情報証明制度の手続き書類の作成作業にかかる日数・・・1日~数日

③ 手続き書類の提出後、法務局での書類審査にかかる日数・・・1週間~10日程度

亡くなった方と相続人との関係が複雑かどうかや、必要な戸籍謄本等の数、
転籍の数、作業を行う人の相続や戸籍の知識の有無などによって、
上記のように、それぞれの作業日数に大きな差が出ます。

どういうことかと言えば、まず、亡くなった方の子供が相続人になる場合と、
亡くなった方の兄弟姉妹や甥姪が相続人になる場合とでは、
①の必要な戸籍謄本等の取得作業にかかる日数に大きな差が出ます。

なぜなら、亡くなった方の兄弟姉妹や甥姪が相続人になる場合は、
亡くなった方の子供が相続人になる場合に比べて、
通常、必要な戸籍謄本等の量が数倍に多くなるからです。

必要な戸籍謄本等の量が数倍になると、
それぞれの戸籍謄本等の相続に関係する内容を読み取る時間も、
数倍かかることになります。

また、亡くなった方が生前、転籍の多かった人でしたら、
転籍の少なかった人に比べて、
必要な戸籍謄本等の取得作業にかかる日数が多くなります。

そして、必要な戸籍謄本等が具体的に何かがよくわかっている人と、
よくわかっていない人の作業状況を比べてみても、
よくわかっていない人の方が数倍作業時間がかかることになります。

なぜなら、必要な戸籍謄本等について正確によくわかっている人なら、
1日~2週間程度で済ませることができる作業でも、
よくわかっていない人なら、1ヵ月以上かかってしまうこともあるからです。

つまり、①の必要な戸籍謄本等の取得作業については、
一律に、どのくらいの作業日数がかかるとは言えないわけです。

ただ、ほとんどのケースでは、必要な戸籍謄本等がいくつかあり、
転籍もあるため、①の必要な戸籍謄本等の取得作業については、
専門家が作業を行っても、1日~2週間程度はかかることが多いと言えます。

次に、②の法定相続情報証明制度の手続き書類の作成作業の日数についてですが、
この作業についても、相続関係が複雑な場合や、
手続き書類の作り方がよくわかっていないと、何日もかかる作業になります。

法定相続情報証明制度の手続き書類の作成作業としては、
申出書の作成、法定相続情報一覧図の作成、
本人確認書面の準備などの作業があります。

申出書の作成には、それほど時間はかかりませんが、
法定相続情報一覧図の作成については、
書き方が細かく決められているので、作成に時間がかかることが多いです。

特に、亡くなった方と相続人との関係が複雑な場合や、
亡くなった方の兄弟姉妹や甥姪が相続人になる場合には、
法定相続情報一覧図の作成に数日かかることもあります。

法定相続情報一覧図をなんとなく作って、法務局に提出したとしても、
書き方に少しでも間違いがあると、
修正した法定相続情報一覧図の再提出が必要になります。

つまり、②の手続き書類の作成作業にかかる日数についても、
一律に、どのくらいの作業日数がかかるとは言えないわけです。

ただ、申出書の作成や、法定相続情報一覧図の作成、
本人確認書面の準備について、全てよくわかっている人が作業を行えば、
1日で手続き書類を作成することも可能と言えます。

たとえば、専門家に法定相続情報証明制度の手続き書類の作成を委任(依頼)した場合、
①の必要な戸籍謄本等の取得作業をのぞいて、
②の法定相続情報証明制度の手続き書類の作成にかかる日数は1日程度です。

逆に、法定相続情報証明制度の手続き書類についてよく分かっていない人が、
②の法定相続情報証明制度の手続き書類の作成を行うと、
あちこち調べる作業も必要なため、何日もかかってしまうことがほとんどです。

最後に、手続きに必要な戸籍謄本等一式と、
申出書や法定相続情報一覧図、本人確認書面などを、
法務局にすべて提出することになります。

法務局に手続き書類を提出した後は、
法務局内の担当者が手続き書類を審査しますので、
その審査にかかる日数は、2日~7日程度となります。

法務局で、手続き書類の審査にかかる日数は、
だいたいどこの法務局でもあまり違いはありません。

ただし、手続き書類に不備不足や修正作業が必要になった場合には、
法務局からその旨の連絡が来ますので、
追加提出や修正されるまで、審査はストップすることに注意が必要です。

追加提出や修正をしないでそのままにしておくと、
手続き書類を提出した日から3ヵ月を経過した時点で、
法務局側で手続き書類を廃棄してもよいことになっています。

そのため、戸籍謄本等に不備不足があった場合や、
法定相続情報一覧図に修正が必要になった場合には、
できるだけ早めに追加提出や修正をした方が良いということです。

以上のように、法定相続情報証明制度にかかる日数は、
相続関係や、必要な戸籍謄本等の数だけでなく、
作業を行う人によっても大きく差が出ます。

法定相続情報証明制度の手続きに必要な戸籍謄本等や、手続き書類の作成について、
あまりよくわかっていない人が作業を行うと、
上記①~③の作業や追加修正作業に数か月かかってしまうこともあるわけです。

逆に、専門家であれば、必要な戸籍謄本等の取得や、
手続き書類の作成にも熟知しているため、作業日数が最短となり、
修正作業が発生することもあまりないため、料金はかかりますが、
安心して法定相続情報証明制度を利用できると言えます。

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