委任による代理人が法定相続情報証明制度の手続きを行う場合、
委任されたことを証明する委任状が必要になります。

委任状は、通常、相続人(申出人)又は代理人が作成する書面です。

ただ、その前に「委任状はどんな様式で何を記載するべきか?」
「委任状が無効にならないために注意すべきことは何か?」
について正確に知っておく必要があるのです。

もし、委任状の記載内容に抜かりや間違いがあれば、
その委任状は無効になってしまいます。そこで・・・

そこで、法定相続情報証明制度の委任状について、
相続専門の行政書士が、次の順番で、
具体的にわかりやすく解説いたします。

この記事を閲覧することで、委任状の様式と記載例、
委任状の作成で注意すべきことが全てわかります。

この記事の監修者

行政書士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:行政書士、土地家屋調査士。
主な取扱い専門分野:遺産相続手続き全般。

経歴:開業以来15年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行ってます。
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委任状の様式

法定相続情報証明制度の委任状の様式は、
下図1のとおりです。

法定相続情報証明制度の委任状の様式
(図1:法定相続情報証明制度の委任状の様式)

委任状は、A4サイズの普通紙を縦にして作成します。

すべてパソコンなどで作成して、
プリンターで印刷しても良いですし、
すべて手書きで作成してもかまいません。

ただし、委任者の住所と氏名についてのみは、
記名でも良いですが、委任者の自署が望ましいです。

委任者の住所と氏名は、記名(印字など)でも有効ですが、
委任者本人が、委任状の内容を確認して、
住所と氏名を自署することが望ましいということです。

もし、委任者が高齢で、かなり震えた文字になったとしても、
なんとか読める文字なら問題ありません。

委任状の記載例

下図2の赤枠内にそれぞれ記入が必要です。

法定相続情報証明制度の委任状の記載例
(図2:法定相続情報証明制度の委任状の記載例)

赤枠内の記入にはそれぞれ注意すべきことがあり、
注意していないと委任状が無効になることもあります。

赤枠内の記入で注意すべきことについては、
下記「委任状が無効にならないための4つの注意点」を、
かならずご確認ください。

委任状の様式をダウンロード・印刷するには?

法定相続情報証明制度の委任状の様式(白紙)を、
下記リストからご自由にダウンロードしてご使用下さい。

Word(ワード)とPDFの2つの形式をご用意しています。

委任状が無効にならないための4つの注意点

委任状が無効にならないために、
次の(1)~(4)の4つの注意点を、
それぞれご説明致します。

(1)代理人の住所と氏名の記入についての注意点

まず、下図3のように、タイトル(委任状)の下には、
代理人の住所と氏名を記入します。

代理人の住所と氏名を記入する
(図3:代理人の住所と氏名を記入する)

親族と専門家以外の方の住所と氏名を記入しても、
その委任状は無効になってしまいます。

法定相続情報証明制度を利用する場合、
委任による代理人になれるのは、
親族又は専門家(行政書士などの資格者)のみです。

法定相続情報証明制度の利用で代理人になれる人については、
法定相続情報証明制度の代理人になれる人は?」を参照下さい。

そして、委任状の代理人の住所と氏名欄には、
親族が代理人の場合は、
その親族の住民票に登録している住所と氏名を記入します。

専門家(行政書士などの資格者)が代理人の場合は、
登録している事務所の住所と専門家の氏名を記入します。

もし、登録してない住所や氏名を記入してしまうと、
その委任状は無効になるので注意が必要です。

(2)希望の交付通数の記入についての注意点

下図4のように、
希望する法定相続情報一覧図の写しの交付通数を記入します。

希望する交付通数を記入する
(図4:希望する交付通数を記入する)

つまり、代理人に取得してほしい通数を記入するのです。

ただ、委任状に記入した交付通数より多い通数は、
その委任状では取得できないので注意が必要です。

代理人に取得してほしい通数を委任状に記入した場合、
法定相続情報証明制度の手続きのときに、
それより多くの通数を交付してもらえないということです。

(3)被相続人の住所氏名、死亡年月日の記入についての注意点

下図5のように、被相続人(亡くなった方)の最後の住所氏名、
死亡年月日については、亡くなった方の戸籍謄本等や、
住民票の除票(又は戸籍の附票)の記載のとおり記入します。

(図5:被相続人の住所と氏名、死亡年月日を記入する。)

もし、被相続人の戸籍謄本等の内容と違っていれば、
委任状が無効になってしまいます。

なお、被相続人の最後の住民票の除票も、戸籍の附票も、
どちらも廃棄などで取得できなかった場合にのみ、
被相続人の最後の本籍を記入することになります。

(4)委任者の住所と氏名の記入についての注意点

下図6のように、委任者の住所と氏名を記名(印字)するか、
委任者本人が自署で記入します。

委任者の住所と氏名を記入する
(図6:委任者の住所と氏名を記入する)

委任者の住所氏名は、委任者本人の自署が望ましく、
委任者の押印は必要ありません。

委任状には、以前までは委任者の押印が必要でしたが、
法定相続情報証明制度について押印の廃止が決まり、
令和3年4月1日から委任者の押印も必要なくなりました。

ただ、委任者の押印があっても特に問題ないので、
実務的には、押印しても、押印しなくても、
どちらでも良いということです。

そして、法定相続情報証明制度では、委任状の他にも、
「申出書」の申出人又は代理人の押印や、
「法定相続情報一覧図」の作成者の押印についても不要となっています。

委任者の住所と氏名を確認できる公的書類と、
委任者の住所と氏名が一致している必要があります。

委任者は、法定相続情報証明制度の申出人となる人です。

そして、申出人の住所と氏名を確認できる公的書類が、
必ず用意する書類の1つとなっています。

そのため、委任状に記入する委任者の住所と氏名は、
委任者の住所と氏名を確認できる公的書類と、
一致している必要があるということです。

また、委任した年月日については、
印字されたものでも良いのですが、
できれば、委任者本人に書いてもらう方が良いです。

委任者本人が年月日も記入すれば、
委任者が委任状の内容を確認して、
代理人に委任した年月日が明確になるからです。

以上、法定相続情報証明制度の委任状について解説致しました。

なお、法定相続情報証明制度の利用を代理人が行う場合、
委任状以外にも、「申出書」や「法定相続情報一覧図」、
「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等」など、
6つの書類を必ず用意しなければなりません。

制度の利用に必要な6つの書類については、
法定相続情報証明制度の必要書類」で、
くわしく解説しています。

「申出書」や「法定相続情報一覧図」については、
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」、
法定相続情報一覧図とは?」を参照ください。

もし、法定相続情報証明制度の利用でお困りの方は、
法定相続情報証明制度の利用で困っていませんか?」で、
楽に解決する方法もあります。

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