法定相続情報一覧図とは、
法定相続情報証明制度を利用する際に、
法務局に必ず提出しなければならない書類の1つです。

「法定相続情報一覧図」には、2種類の形式があり、
それぞれ記入内容や作成方法が決められています。

もし、記入内容や作成方法が違っていれば、
あとで修正が必要になってしまいます。そこで・・・

そこで、この記事では、法定相続情報一覧図について、
相続専門の行政書士が、次の順番でくわしくご説明致します。

この記事の監修者

行政書士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:行政書士、土地家屋調査士。
主な取扱い専門分野:遺産相続手続き全般。

経歴:開業以来15年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行ってます。
行政書士のプロフィールはこちら

しっかり理解すれば、法定相続情報一覧図について、
困ることはなくなるでしょう。

法定相続情報一覧図とは何か?

法定相続情報一覧図とは何かと言えば、
被相続人(亡くなった方)の情報と、
その法定相続人が誰なのかがわかる書面のことです。

法定相続情報一覧図には2種類の形式があり、
その1つは、次のような図形式のものがあります。

図形式の法定相続情報一覧図の例
(図1:図形式の法定相続情報一覧図の例)

法定相続情報一覧図と言えば、通常は、
この図形式の法定相続情報一覧図が一般的です。

そして、もう1つの形式としては、
次のような列挙形式の法定相続情報一覧図があります。

列挙形式の法定相続情報一覧図の例
(図2:列挙形式の法定相続情報一覧図の例)

では、図形式と列挙形式では、何が違う?

図形式の場合は、被相続人と法定相続人の関係が、
視覚的にわかり、各種の相続手続きでも問題なく使用できます。

逆に、列挙形式の場合は、被相続人と法定相続人との関係が、
視覚的にわかりづらいという欠点があります。

そして、相続税の申告など一部の相続手続き先では、
列挙形式の法定相続情報一覧図では受付できない、
という制限がかかる場合もある
のです。

さらに、法定相続人が兄弟姉妹や甥姪の場合、
列挙形式の法定相続情報一覧図だけでなく、
戸籍謄本等の一部の提出も求められることもあります。

そのため、法定相続情報一覧図を作成する場合には、
いろいろと欠点や制限のある列挙形式ではなく、
図形式で作成しておくと安心
です。

法定相続情報一覧図には具体的に何が記載される?

法定相続情報一覧図には、
次の1~5の全ての内容が必ず記載されています。

  1. 「被相続人 誰々 法定相続情報」というタイトル
  2. 被相続人の氏名、最後の住所、生年月日、死亡年月日
  3. 法定相続人全員の氏名、生年月日、被相続人との続柄
  4. 法定相続情報一覧図の作成年月日
  5. 法定相続情報一覧図の作成者の住所、氏名

また、この他にも、「被相続人の最後の本籍」や、
「法定相続人の住所」も記載されることがあります。

なぜ、記載されていたり、記載されなかったりするかと言えば、
「被相続人の最後の本籍」と「法定相続人の住所」については、
法定相続情報一覧図に記載してもしなくてもどちらでも良く、
作成者の判断によるからです。

法定相続情報一覧図の記載で注意点は?

次の内容は、法定相続情報一覧図に記載がありそうですが、
記載されない内容なので注意が必要です。

  • 相続放棄をした旨
  • 各相続人の相続分
  • 離婚した元配偶者の情報
  • 相続欠格者

これらの内容は、法定相続情報一覧図には記載されません。

ただし、相続放棄をした人の氏名、生年月日、続柄は、
記載されます。

つまり、法定相続人は誰なのかという情報は記載されますが、
相続放棄をする予定のことや、
相続放棄をしたという事実などは記載されないということです。

法定相続情報一覧図があればどうなる?

法定相続情報一覧図などの書類を法務局に提出して、
書類審査が完了すれば、法務局の方で認証文などを加えて、
下図3の例のような「法定相続情報一覧図の写し」を、
必要な通数分交付してもらえます。

法定相続情報一覧図の写しの例
(図3:法定相続情報一覧図の写しの例)

この「法定相続情報一覧図の写し」を相続手続先に提出すれば、
各種相続手続き先で必要とされている戸籍謄本等の原本一式を、
提出する必要がなくなります。

そのため、戸籍謄本等の原本一式の代わりに、
「法定相続情報一覧図の写し」1枚を、
それぞれの相続手続き先に同時に提出することで、
銀行預金や保険金、不動産など各種の相続手続きを、
同時進行で進めることが可能になる
のです。

その結果、相続手続き全体を、
速く済ませることができるようになるのです。

なお、「法定相続情報一覧図の写し」とは何か、
交付通数や手数料、有効期限や受け取り方法については、
法定相続情報一覧図の写しとは?」を参照ください。

法定相続情報一覧図の見本

法定相続情報一覧図は、
被相続人と法定相続人の関係によって、
次の見本のように形が違ってきます。

【被相続人の妻と子が法定相続人の場合の見本】
被相続人の妻と子が法定相続人の場合の法定相続情報一覧図
(図4:被相続人の妻と子が法定相続人の場合)
【被相続人の兄弟姉妹が法定相続人の場合の見本】
被相続人の兄弟姉妹が法定相続人の場合の法定相続情報一覧図の見本
(図5:被相続人の兄弟姉妹が法定相続人の場合)
【被相続人の甥姪が法定相続人の場合の見本】
被相続人の甥姪が法定相続人の場合の法定相続情報一覧図の見本
(図6:被相続人の甥姪が法定相続人の場合)

もっとたくさんの法定相続情報一覧図の見本については、
法定相続情報一覧図の見本とテンプレート集」で、
ケースごとの見本とテンプレートを掲載しています。

法定相続情報一覧図の作成と書き方については、
下記「法定相続情報一覧図の作成には何が必要?」と、
法定相続情報一覧図の作成方法や書き方は?」を参照ください。

法定相続情報一覧図の作成には何が必要?

法定相続情報一覧図を作成するには、
事前に、次の戸籍謄本等が必ず必要になります。

被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本等

法定相続人全員の戸籍謄本等

もし、被相続人(亡くなった方)に子供や孫がいなくて、
両親や祖父母も全員亡くなっている場合には、
被相続人の両親の出生から死亡までの戸籍謄本等」も必要です。

これらの戸籍謄本等については、
法定相続情報一覧図を作成する前に、
市区町村の役所で抜かりなく取得する必要があります。

そして、亡くなった方と法定相続人全員の戸籍謄本等から、
相続に関係する内容を正確に読み取ります。

もし、この時に必要な戸籍が1つでも抜かっていれば、
法定相続情報が違ってくることがあるので、
必要な戸籍をすべて取得して正確に読み取ることが重要です。

法定相続情報一覧図の作成に必要なのは戸籍謄本等だけ?

必要な物は戸籍謄本等になりますが、
民法の相続に関する法律も理解した上で、
法定相続情報一覧図を作成することになります。

なぜなら、戸籍謄本等から読み取れる情報と、
民法の相続に関係する法律から判断して、
図で表したものが法定相続情報一覧図になるからです。

法定相続情報一覧図の作成方法や書き方は?

法定相続情報一覧図は、
A4縦サイズの丈夫な用紙で作成します。

法定相続情報一覧図をパソコンなどで作成して、
プリンターで用紙に印刷するのが一般的です。

法定相続情報一覧図は手書きでも良い?

法定相続情報一覧図は、
すべて手書きで作成してもかまいません。

ただし、鉛筆書きは認められていませんので、
すべて黒ボールペンか黒色インクを利用して、
はっきりとした字で書く必要があります。

法定相続情報一覧図は次の①~⑥の順で書きます。

①まずはタイトルの記載

法定相続情報一覧図の書き方としては、
まず、用紙の一番上の中央に、
『 被相続人 誰々 法定相続情報 』 というタイトルを書きます。

②被相続人(亡くなった方)の情報を記載

被相続人(亡くなった方)の最後の住所、
出生年月日、死亡年月日、氏名を書いて、
氏名の上に(被相続人)と書きます。

最後の本籍を書くかどうかは、作成者が任意で選択できますが、
法務局では書いておくことを推奨していますので、
最後の本籍も書いておく方が良いです。

③配偶者がいればその情報を記載

次に、被相続人(亡くなった方)に配偶者がいる場合には、
被相続人の情報の下に、配偶者の住所、生年月日、氏名を書き、
氏名の上に(夫または妻)と書き、被相続人と二重線で結びます。

配偶者の住所を書くかどうかは、任意で選択できますが、
書いていれば住所証明情報としても使えるので、
住所についても書いておいた方が良いです。

ただし、被相続人の配偶者など相続人の住所を書いた場合は、
住所を証明する書面として、相続人の「住民票の写し」または
「戸籍の附票」などを添付書類として提出する必要があります。

法定相続情報一覧図に住所を記載した場合と、
住所を記載しなかった場合の違いについては、
法定相続情報一覧図に住所の記載は必要?」をご確認下さい。

④子供がいればその情報を記載

もし、被相続人(亡くなった方)に子供がいる場合には、
被相続人の情報の右側に、子供全員の住所、生年月日、
氏名を上から順番に書いて、
被相続人との続柄(長男や長女、養子など)を、氏名の上に書きます。

そして、被相続人が離婚していたり、
婚姻してない場合には、
被相続人の氏名と子供とを一重線で結びます。

被相続人が婚姻している場合には、
被相続人と配偶者を結ぶ二重線の中央付近から一重線で結びます。

⑤申出人が誰なのかがわかるように記載

申出人に該当する人の氏名の横には、
(申出人)と書いておく必要があります。

申出人になれる人や、申出人は何をする人なのか、
申出人を適当に決めてしまうとあとで困ることなどについては、
法定相続情報一覧図の申出人とは?」で、
それぞれくわしく解説しています。

⑥作成日と作成者の情報を記載

法定相続人全員の情報の記入が終われば、
用紙の下約5cmは余白にしておき、
その余白の上に、作成年月日と作成者の住所・氏名を書きます。

なぜなら、用紙の下約5cmの部分には、
法定相続情報一覧図を法務局に提出した後で、
法務局側が記載するスペースになるからです。

もし、専門家などの代理人に依頼した場合には、
法定相続情報一覧図の作成も代理人が行うので、
作成者の住所と氏名は、代理人の住所と氏名になります。

なお、法定相続情報一覧図の作成者の記載方法と例については、
法定相続情報一覧図の作成者の記載方法と例」で、
くわしく解説しています。

法定相続情報一覧図の作成が難しい場合の解決策

法定相続情報一覧図の作成や、
法定相続情報証明制度の利用手続きを、
専門家などの代理人にすべて依頼する方もたくさんいます。

専門家などの代理人に依頼した場合には、
法定相続情報一覧図の作成だけでなく、
必要な戸籍謄本等の取得も、代理人がすべて行えますので、
手間なく安心して法定相続情報証明制度を利用できるようになります。

関連記事:法定相続情報証明制度の代理人は?

もし、法定相続情報一覧図の写しの取得でお困りの方は、
法定相続情報一覧図の写しの取得に困っていませんか?」で、
手間なく簡単に、安心して制度を利用する方法があります。

また、法定相続情報一覧図の作成でお困りの方は、
法定相続情報一覧図の見本とテンプレート集」や、
法定相続情報一覧図の作成方法・手書きOK?」で、
さらにくわしく解説しています。

なお、法定相続情報証明制度を利用する場合、
法定相続情報一覧図だけでなく、申出書や、
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本など6つの書類が必要になります。

制度の利用に必要な6つの書類と、
必要になる場合がある3つの書類については、
法定相続情報証明制度の必要書類」をご確認ください。

なお、法定相続情報証明制度を自分で利用しようという方は、
法定相続情報一覧図を自分で取得する方法」で、
その手順と流れをご確認ください。

【関連記事】