行政書士・土地家屋調査士 寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
保有資格:行政書士、土地家屋調査士。
取扱い分野:法定相続情報証明制度など相続関連手続き全般。
経歴:開業以来17年間、相続手続きに関する業務を行っています。
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法定相続情報証明制度では、申出書類の提出も、
「法定相続情報一覧図の写し」などの受け取りも、
すべて郵送で済ませることが可能です。
そして、申出書類の提出は、法務局に出向いて行い、
「法定相続情報一覧図の写し」などの受け取りは、
郵送で受け取るということもできます。
逆に、申出書類の提出は郵送で行い、
「法定相続情報一覧図の写し」などの受け取りは、
法務局に出向いて受け取るということもできるのです。
では、法定相続情報証明制度の手続きをすべて郵送で行う場合の具体的な流れとしては、
次の1~5の流れになります。
1.申出書類を郵送で送る準備をして、申出書類を提出できる管轄の法務局を確認する。
2.法務局の『法定相続情報証明制度の係り』に申出書類を送る。
3.法務局内で約1週間~10日程度、書類審査が行われます。
4.書類に不備や不足があれば、修正した書類を郵送で追加提出する。
5.法務局から、「法定相続情報一覧図の写し」などが郵送で返送されます。
法定相続情報証明制度の手続きを郵送ですべて行う場合、
以上1~5の流れになります。
ただ、郵送で申出書類の提出を行う場合には、
法務局に出向いて申出書類を提出する場合と比べて、
必要な書類に少し違いがあることには注意が必要です。
まず、亡くなった方と相続人全員の戸籍謄本等や、申出書、
法定相続情報一覧図については、法務局に出向いて提出する場合も、
法務局に郵送で提出する場合も、必要になるのは同じです。
法務局に郵送で提出する場合も、
亡くなった方と相続人全員の戸籍謄本等については、
コピーでは不可で、すべて原本を送らなければなりません。
申出人の運転免許証、または、マイナンバーカードなど、
申出人の住所や氏名を確認できる公的な書面については、
原本ではなく、コピーしたものを郵送で送ることになります。
もし、代理人が申出人の代わりに申出を行う場合には、
委任状の原本と、代理人の身分証のコピーを同封して、
法務局に郵送で提出することになります。
そして、法定相続情報証明制度の申出書類を提出できるのは、
「被相続人(亡くなった方)の最後の本籍地を管轄する法務局」か、
「被相続人の最後の住所地を管轄する法務局」、または、
「申出人の住所地を管轄する法務局」、もしくは、
「被相続人名義の不動産の所在地を管轄する法務局」のみです。
以上の4つの法務局から、申出人が自由に選択して、
申出書類を提出できますが、郵送で書類を送る場合には、
管轄の法務局に間違いがないか特に確認しておいた方が良いです。
そして、郵便局の書留郵便や、レターパックなどのように、
追跡番号があり、郵便局員の手渡しで届く郵送方法で送ることをおすすめします。
なぜなら、戸籍謄本等の原本などの重要書類を送るため、
追跡番号があり、郵便局員の手渡しなら、
届いたかどうかなど記録が残り安心だからです。
なお、法務局に送る封筒の宛名の記入については、
郵送先の法務局の住所と名称を記入して、
『法定相続情報証明制度の係』と記入しておくと良いです。
法務局の法定相続情報証明制度を取り扱っている窓口は、
法務局によって正式名称に多少の違いがありますが、
法定相続情報証明制度を扱っている係があるのは同じだからです。
そのため、『法定相続情報証明制度の係』と記入しておくと、
法定相続情報証明制度を取り扱っている窓口に届きます。
また、郵送で申出書類を提出した場合も、
法務局内で約1週間~10日程度、書類審査が行われます。
もし、申出書類に不備や不足があれば、
法務局から申出人の電話番号宛てに連絡がありますので、
できるだけ速やかに対応することが必要です。
申出書や「法定相続情報一覧図」の修正については、
すぐに対応できますが、必要な戸籍謄本等に不足があった場合、
役所で不足分の戸籍を取得する必要があるため時間がかかります。
不足している戸籍が1つだけなら良いのですが、
いくつも不足している場合、必要な戸籍謄本等がすべてそろうまで、
何度でも追加提出を法務局から求められることになります。
もし、法務局から不備や不足のお知らせの電話連絡後に、
申出人が何も対応しなかった場合には、3ヵ月を経過した時点で、
法務局側が申出書類を廃棄する可能性があるので注意が必要です。
申出書類の審査が無事に終われば、
法務局から、「法定相続情報一覧図の写し」などの書類が、
郵送で返送されてきます。
ただし、法務局から申出人宛てに返送する封筒については、
申出人が法務局に申出書類を郵送で提出する際に、
一緒に同封しておくことが必要です。
なぜなら、法務局側が切手や封筒を用意して、
申出人宛てに返送することはしないからです。
そのため、申出書類を郵送で提出するときに同封する返送用封筒には、
申出人の住所と氏名(返送先の住所と氏名)を記入し、
郵送分の切手も貼っておくことが必要になります。
返送用封筒としては、
郵便局のレターパック(ライト又はプラス)がおすすめです。
レターパック(ライト又はプラス)は郵便局で購入するため、
切手の貼り付けは必要なく、追跡番号もあるからです。
返送用封筒の書き方としては、
宛先の欄に、申出人の住所と氏名を記入して、
差出人の欄は空欄にしておいてかまいません。
差出人の欄には、法務局側で法務局の住所や名称を記入するか、
住所と名称のハンコを押してから、
申出人宛てに返送してくるからです。