法定相続情報証明制度の利用に必要な書類としては、
必ず用意する書類と、
必要になる場合がある書類があります。

まず、必ず用意する書類としては、
次の6つの書類です。

  1. 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本等
    ※戸籍謄本だけでなく、除籍謄本や改製原戸籍も含まれます。
  2. 被相続人の住民票の除票
    ※住民票の除票が取得できない場合は戸籍の附票
  3. 相続人全員の戸籍謄本又は戸籍抄本
  4. 申出人の住所と氏名を確認できる公的書類
    ※運転免許証やマイナンバーカードのコピー、住民票の写し等
  5. 申出書(法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書)
  6. 法定相続情報一覧図

そして、必要になる場合がある書類としては、
次の3つの書類です。

  1. 相続人の住民票記載事項証明書(住民票の写し)
    ※法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載する場合のみ必要
  2. 委任状及び身分証明書の写し等 
    ※委任による代理人が申出の手続きをする場合のみ必要
  3. 被相続人の戸籍の附票
    ※被相続人の住民票の除票を取得できない場合のみ必要

もし、必要な書類が1つでも不足していれば、
あとで困ることになってしまいます。そこで・・・

そこで、法定相続情報証明制度に必要な書類として、
具体的にどういったものが必要なのかすべてわかるように、
相続専門の行政書士が次の順番でわかりやすく解説いたします。

この記事の監修者

行政書士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:行政書士、土地家屋調査士。
主な取扱い専門分野:遺産相続手続き全般。

経歴:開業以来15年間、相続手続きに関する業務を全国対応で行ってます。
行政書士のプロフィールはこちら

1つ1つ具体的に何が必要なのかまで知っていれば、
必要書類で困ることはなくなるでしょう。

1. 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本等

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等とは、
具体的には、亡くなった方の戸籍謄本と除籍謄本、
改製原戸籍(かいせいはらこせき)のことです。

被相続人の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本や、
被相続人の出生から死亡までの除籍謄本等と言うこともあります。

亡くなった方の戸籍謄本や除籍謄本は、
1つ取得すれば良いと思っていませんか?

亡くなった方の戸籍謄本や除籍謄本は、
1つしかないと勘違いされる方がいますが、
実は下図1のように、それぞれ異なる戸籍としていくつかあるのです。

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等の具体例
(図1:被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等の具体例)

つまり、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等には、
除籍謄本も改製原戸籍もそれぞれいくつも存在するので、
それらの戸籍のすべてを役所で取得する必要があります。

戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍(かいせいはらこせき)は、
市区町村の役所で取得できる書面ですが、
それぞれの戸籍の本籍地の役所でしか取得できません。

そのため、近くの役所で、
常に取得できる書面ではないことに注意が必要です。

亡くなった方の戸籍の取得で注意すべきことは・・・

亡くなった方の戸籍謄本等を取得するときに注意すべきことは、
抄本(しょうほん:内容の一部のみ記載されたもの)ではなく、
すべて謄本(とうほん:内容の全てが記載されたもの)を取得することです。

間違って戸籍抄本や除籍抄本を取得してしまうと、
あとですべて取り直しになってしまうので注意が必要です。

取得方法は、市区町村役所が用意している戸籍謄本等請求書に、
取得したいそれぞれの戸籍の本籍と筆頭者などを記入して、
出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本を順番に取得していくことになります。

ただ、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本等で、
1つでも足りない戸籍があれば、法務局に必要書類を提出後に、
法務局から何度でも不足の戸籍の追加提出を求められるので注意が必要です。

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍の1つが、
役所側ですでに廃棄されていることも!?

かなり古い除籍謄本や改製原戸籍については、
役所側で既に廃棄されていたり、
戦災で焼失していることもあります。

そういったケースでは、戸籍謄本等だけでなく、
廃棄証明書又は焼失証明書も必要になります。

出生から死亡までの戸籍謄本等についてと、
廃棄証明書や焼失証明書については、
出生から死亡までの戸籍謄本とは?」で、
くわしく解説しています。

2. 被相続人の住民票の除票

被相続人(亡くなった方)の住民票の除票は、
亡くなった方の最後の住所地の市区町村役所で取得できる書面です。

そして、住民票の除票には、下図2の例のように、
亡くなった方の最後の住所が記載されています。

住民票の除票の例
(図2:住民票の除票の例)

亡くなった方の最後の住所については、
法定相続情報証明制度の申出書の作成時や、
法定相続情報一覧図の作成時にも必要になります。

なぜなら、申出書にも、法定相続情報一覧図にも、
被相続人(亡くなった方)の最後の住所を、
記載する必要があるからです。

そして、申出書や法定相続情報一覧図に記載された住所が、
正しいかどうかを証明するために、
被相続人(亡くなった方)の住民票の除票が必要なのです。

なお、住民票の除票の取り方については、
「住民票の除票の取り方」を参照ください。

法定相続情報証明制度の利用で必要な申出書については、
このページの下記「申出書」や、
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」で、
くわしく解説しています。

法定相続情報一覧図については、
このページの下記「法定相続情報一覧図」や、
法定相続情報一覧図とは?」を参照ください。

ただ、被相続人の住民票の除票の代わりに、
被相続人の最後の戸籍の附票でもかまいません。

被相続人の住民票の除票を取得することができない場合は、
被相続人の最後の戸籍の附票でかまいません。

なぜなら、被相続人の住民票の除票も、
被相続人の最後の戸籍の附票も、
被相続人の最後の住所が記載されている公的書面に違いはないからです。

そして、被相続人の最後の戸籍の附票は、
被相続人の死亡時の戸籍謄本又は除籍謄本を取得する際に、
同時に取得しておくと手間が省けます。

3. 相続人全員の戸籍謄本又は戸籍抄本

相続人の戸籍謄本というのは、
具体的には、下図3のような書面のことです。

(図3:相続人の戸籍謄本の具体例)

そして、法定相続人全員の現在の戸籍謄本を各自1通、
または、現在の戸籍抄本を各自1通が必要になります。

ちなみに、コンピュータ化されたあとの戸籍では、
戸籍謄本のことを全部事項証明書と言い、
戸籍抄本のことを一部事項証明書と言います。

コンピュータ化される前の戸籍を、
戸籍謄本・戸籍抄本と言うのです。

そして、法定相続人というのは、法律上、
相続権のある人のことです。

たとえば、父又は母が亡くなれば、その配偶者(夫又は妻)と、
その子供全員が法定相続人となります。

子供の内で、実際に遺産を相続するかどうかや、
相続放棄するかどうかなどは関係がありません。

相続放棄を既にしていても、相続放棄の予定であっても、
亡くなった方の子供(養子も含む)であれば、
法定相続人であることに違いはないからです。

なお、法定相続人は誰になるのかについては、
法定相続とは?法定相続人の範囲と法定相続分」で確認できます。

そして、法定相続人の戸籍謄本又は戸籍抄本は、
本籍地の市区町村の役所でのみ取得できる書面になります。

取得するなら戸籍謄本、戸籍抄本のどちらが良い?

法定相続人全員の戸籍謄本の取得については、
謄本でも、抄本でもどちらでも良いのですが、
後々の相続手続きのことを考えると、謄本を取得しておいた方が安心です。

なぜなら、相続手続き先で、抄本はダメという所はありますが、
謄本はダメという所はなく、
役所からの発行手数料も、謄本と抄本は同じだからです。

法定相続人の戸籍謄本の取得で注意すべきことは?

法定相続人の戸籍謄本で注意すべきことは、
被相続人が死亡した後に、
役所から取得した戸籍謄本でなければならないことです。

たとえ死亡前に取得した戸籍謄本が手元にあったとしても、
再度、死亡日よりあとに、
法定相続人の戸籍謄本を取得しなければなりません。

4. 申出人の住所と氏名を確認できる公的書類

申出人の住所と氏名を確認できる公的な書類として具体的には、
住民票の写し、戸籍の附票、運転免許証のコピー、
マイナンバーカードのコピーの4つの内、いずれか1点のことです。

申出人の住民票の写しの見本
(申出人の住民票の写し)
申出人の戸籍の附票の見本
(申出人の戸籍の附票)
申出人の運転免許証の見本
(申出人の運転免許証)
申出人のマイナンバーカードの見本
(申出人のマイナンバーカード)

上記4つの書面から、申出人が自由に1点選択できます。

ただ、運転免許証のコピーを選択した場合、
表面と裏面の両方のコピーが必要です。

マイナンバーカードのコピーを選択した場合には、
表面のみコピーしたものでかまいません。

なお、コピーの場合は、原本と相違ない旨の記載と、
申出人の記名・押印が必要になります。

運転免許証などのコピーの場合、下図4のように、
余白に手書きで良いので、「原本と相違ありません」の旨と、
申出人の氏名をペンで記入して、申出書に押す印と同じ印を押す必要があります。

(図4:運転免許証のコピーを選択した場合の具体例)

なお、申出書については、
このページの下記「申出書」を参照下さい。

申出書の最新様式や記載例、申出書の書き方については、
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」で、
くわしく解説しています。

5. 申出書(法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書)

申出書については、どこかで取得できるものではなく、
申出人(又は代理人)の方で作成する書面となります。

正式な名称としては、
「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」と言いまして、
下図5の最新様式を使用して作成する必要があります。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書の最新様式
(図5:法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書の最新様式)

ただ、この申出書については、
様式と書き方が細かく決められていますので、
1ヶ所1ヶ所確認しながら作成した方が良いです。

なぜなら、法務局に書類を提出した後で、
1ヶ所でも修正の必要な箇所が発見されると、
修正したものを再度提出しなければならなくなるからです。

そのため、申出書の様式や記載例、申出書の書き方、
最新様式のダウンロードについては、
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」をご確認下さい。

6. 法定相続情報一覧図

法定相続情報一覧図については、
どこかで取得できるものではなく、
申出人(又は代理人)の方で作成する書面となります。

被相続人(亡くなった方)に配偶者(夫又は妻)がいて、
子供もいる場合、
法定相続情報一覧図の具体例は、下図6のようになります。

法定相続情報一覧図の具体例
(図6:法定相続情報一覧図の具体例)

ただ、法定相続情報一覧図は、法定相続人に配偶者がいる場合、
子供がいる場合、父母の場合、兄弟姉妹や甥姪の場合で、
それぞれ形が違ってきます。

そのため、各ケースの法定相続情報一覧図の見本については、
法定相続情報一覧図の見本とテンプレート集」を参照ください。

法定相続情報一覧図の作成方法については、
法定相続情報一覧図の作成方法・手書きOK?」で、
くわしく解説しています。

もし、自分で作成が難しいようでしたら、
専門家などの代理人に、手続きのすべてを委任(依頼)すれば、
法定相続情報一覧図もすべて作成してもらえます。

法定相続情報証明制度の代理人については、
法定相続情報証明制度の代理人は?」を参照ください。

必要になる場合がある書類

法定相続情報証明制度の利用に必要な書類として、
次の3つのケースの場合にのみ、
必要になる書類があります。

1. 法定相続情報一覧図に相続人の住所記載の場合、
相続人の「住民票の写し」か「戸籍の附票」が必要。

相続人の住民票の写しの例
(相続人の住民票の写しの例)
相続人の戸籍の附票の例
(相続人の戸籍の附票の例)

法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載するかどうかは、
申出人(相続人)が自由に決めることができます。

もし、法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載しない場合は、
相続人の「住民票の写し」や「戸籍の附票」は、
必要ないということになります。

ただ、法定相続情報一覧図は、後日、
亡くなった方の相続手続き先で使用する書面になるため、
できれば、相続人全員の住所を記載しておいた方が安心です。

なぜなら、相続手続き先によっては、
相続人の住所を証明するものが必要という所もあるからです。

おすすめは、相続人の「戸籍の附票」の取得です。

なぜなら、「戸籍の附票」というのは、
「住民票の写し」に代わる住所を証明する公的書面のことで、
相続人の戸籍謄本を取得するときに同時に取得できるからです。

相続人の戸籍謄本は必ず取得が必要なので、
相続人の戸籍謄本を取得する際に、
相続人の「戸籍の附票」も同時に取得すると効率的だからです。

2.委任による代理人が申出の手続きをする場合、
委任状と代理人の身分証のコピーなどが必要。

委任状の様式
(委任状の様式)

専門家に委任(依頼)した場合は、
通常、専門家の方で委任状も作成してもらえますし、
代理人の身分証のコピーも、専門家の方で用意してもらえます。

もし、親族が代理して申出をする場合には、
委任状と親族関係のわかる戸籍謄本等が必要になります。

そして、申出人の法定代理人が申出をする場合には、
委任状と代理権を証明する書面が必要になります。

代理権を証明する書面とは、申出人が未成年者であれば、
親権者である両親が法定代理人になりますので、
親子関係のわかる戸籍謄本等が必要になるということです。

申出人が被成年後見人であれば、代理権を証明する書面として、
成年後見人、または保佐人、もしくは、
補助人であることを証明する登記事項証明書が必要になります。

なお、法定相続情報証明制度の委任状の様式と記載例、
委任状が無効にならないための4つの注意点については、
法定相続情報証明制度の委任状の様式と記載例」で、
くわしく解説しています。

3.被相続人の住民票の除票を取得できない場合は、
被相続人の最後の戸籍の附票が必要。

被相続人の最後の戸籍の附票の例
(被相続人の最後の戸籍の附票の例)

被相続人の住民票の除票は、かならず必要な書類の1つですが、
役所での保存期間の関係で、
すでに廃棄されていて取得できない場合があります。

その場合、被相続人の住民票の除票の代わりに、
被相続人の最後の戸籍の附票を取得して、
法務局に提出しなければなりません。

被相続人の最後の戸籍の附票は、
被相続人の死亡時の戸籍謄本(又は除籍謄本)を取得する際に、
同時に取得すると効率的です。

以上が、法定相続情報証明制度の必要書類についての解説となります。

法定相続情報証明制度を自分で利用してみようという方は、
法定相続情報一覧図を自分で取得する方法」を参照ください。

もし、法定相続情報証明制度の利用でお困りの方は、
法定相続情報証明制度の利用で困っていませんか?」で、
楽に解決する方法もあります。

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