「法定相続情報一覧図の写し」とは、
具体的には、次のような書面のことです。

法定相続情報一覧図の写しの例
(法定相続情報一覧図の写しの例)

書面の下部分には、法定相続情報一覧図の写しである旨と、
発行年月日、発行した法務局の名称、
法務局の印が押されています。

逆に、法務局の印などが押されてない書面については、
法定相続情報一覧図の写しではないので注意が必要です。

「法定相続情報一覧図の写し」は、
銀行預金などの相続手続きで必要な、
戸籍謄本等の原本一式の代わりになる書面です。

「法定相続情報一覧図の写し」が複数枚あれば、
数か所の相続手続きを、
同時に進めることができるようになります。

ただ、「法定相続情報一覧図の写し」を取得するには、
戸籍謄本等の原本一式などの書類を法務局に提出して、
法定相続情報証明制度の利用手続きを行う必要があります。

そこで、このページでは、
法定相続情報一覧図の写しが無い場合と取得した場合
法定相続情報一覧図の写しの交付通数と手数料
法定相続情報一覧図の写しの有効期限
法定相続情報一覧図の写しの受け取り方法
について、相続専門の行政書士が解説致します。

法定相続情報一覧図の写しが無い場合と取得した場合

たとえば、亡くなった方が複数の銀行に口座を持っていて、
「法定相続情報一覧図の写し」が無い場合は、各銀行に対して、
相続に必要な戸籍謄本等の原本一式の提出が必ず必要になります。

相続に必要な戸籍謄本等の原本一式の例
(相続に必要な戸籍謄本等の原本一式の例)

そして、銀行ごとに戸籍謄本等の原本一式の書類審査が行われ、
書類を返却してもらい、次の銀行に提出⇒書類審査⇒返却、
という流れを、銀行の数(相続手続き先の数)だけ繰り返すことになります。

または、相続に必要な戸籍謄本等の原本一式を、
役所から数セット取得して、
各銀行に同時に提出する流れになるわけです。

逆に、法定相続情報証明制度の利用手続きを法務局で行い、
「法定相続情報一覧図の写し」を必要な通数分取得すれば、
数か所の相続手続きを同時に進めることができるようになります。

なぜなら、相続に必要な戸籍謄本等の原本一式の代わりに、
「法定相続情報一覧図の写し」を、
数か所の相続手続き先に同時に1枚ずつ提出すれば良いからです。

法定相続情報一覧図の写しの交付通数と手数料

法定相続情報一覧図の写しは、基本的に、
申出人が必要とする通数分を交付してもらうことができます

ただ、必要とする通数分の根拠として、申出書の利用目的欄で、
「不動産登記」、「預貯金の払戻し」、「相続税の申告」、
「年金等手続」、「その他」の内から、
予定のすべての相続手続きにチェック(レ)を入れる必要があります。

申出書の利用目的欄の表示
(法定相続情報証明制度で必要な申出書の例:赤枠内が利用目的欄)

もし、「預貯金の払戻し」にチェック(レ)を入れた場合には、
予定の金融機関名を記入する必要はありませんので、
手続き先の数+予備分を交付してもらうことも可能です。

また、「法定相続情報一覧図の写し」は、
法務局から交付してもらう際に手数料がかかることはなく、
無料で何通分でも交付してもらえます。

法定相続情報一覧図の写しの有効期限

「法定相続情報一覧図の写し」には有効期限はなく、
有効期限が記載されることもありません。

法務局が「法定相続情報一覧図の写し」に記載するのは、
法定相続情報一覧図の写しである旨と、交付年月日、法務局名、
登記官の氏名と印、法定相続情報番号などです。

ただし、「法定相続情報一覧図の写し」自体に、
有効期限の設定はありませんが、
相続手続き先で有効期限を定めている場合がありえます。

たとえば、交付日から3か月以内のものとか、
6か月以内のものといった感じです。

しかし、ほとんどの金融機関の相続手続き先では、
有効期限の設定はしておりませんので、期限の設定が無ければ、
いつ交付された「法定相続情報一覧図の写し」でもかまいません。

ただし、すべての相続手続き先で共通なのは、
「法定相続情報一覧図の写し」の内容に変更がない、
という前提条件です。

どういうことかと言えば、
「法定相続情報一覧図の写し」の内容が、
現状の法定相続情報と違っていればだめですよということです。

具体的には、「法定相続情報一覧図の写し」を、
法務局から交付してもらった後で、
記載されている相続人が亡くなってしまった場合です。

その場合、「法定相続情報一覧図の写し」の内容と、
現状の法定相続情報に違いがあるので、新たに、
亡くなった相続人の「法定相続情報一覧図の写し」の取得が必要になります。

法定相続情報一覧図の写しの受け取り方法

「法定相続情報一覧図の写し」を受け取る方法としては、
法務局の窓口に出向いて受け取る方法と、
郵送で受け取る方法の2つの方法があります。

申出人又は代理人が自由に選択できますが、
法務局に提出する「申出書」の交付方法の欄で、
「窓口で受取」か「郵送」のどちらかにチェックを入れる必要があります。

法定相続情報証明制度で必要な申出書の例:赤枠内が交付方法欄
(法定相続情報証明制度で必要な申出書の例:赤枠内が交付方法欄)

「窓口で受取」を選択した場合、法務局の書類審査の完了後に、
法務局から申出人 又は 代理人に対して、
手続き完了の電話連絡があります。

手続き完了の電話連絡を受けてから、
申出人又は代理人が法務局に出向いて、
「法定相続情報一覧図の写し」などを受け取るわけです。

ただ、申出人又は代理人が法務局に出向いて受け取る際には、
「申出書」に、申出人又は代理人が押した印と、
同じ印鑑を持参しなければなりません。

なぜなら、「法定相続情報一覧図の写し」を、
受け取ることができる人かどうかを、
法務局が印鑑で確認するためです。

次に、「法定相続情報一覧図の写し」の受け取り方法として、
「申出書」の交付方法の欄で、「郵送」を選択した場合は、
書類審査の完了後、法務局から申出人又は代理人の住所宛てに、
「法定相続情報一覧図の写し」などが郵送されてきます。

ただ、「郵送」を選択する場合の注意点としては、
申出書類を法務局に提出する際に、
宛名や切手を貼った返送用封筒を、同封しておく必要があることです。

返送用封筒としては、書留郵便や、
郵便局のレターパックプラス、
又は、レターパックライトがおすすめです。

返送用封筒の宛名欄には、
申出人又は代理人の住所と氏名を記入して、
差出人の欄は、法務局が記入するので空欄でかまいません。

返送用封筒に記入する申出人又は代理人の住所については、
法務局に提出する「申出書」「本人確認書面」に記載の住所と、
同じ住所でなければなりません。

もし、「申出書」や「本人確認書面」の住所と、
異なる住所を返送先として記入しても、
返送してもらえないので注意が必要です。