この記事の監修者

行政書士・土地家屋調査士 寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
保有資格:行政書士、土地家屋調査士。
取扱い分野:法定相続情報証明制度など相続関連手続き全般。

経歴:開業以来17年間、相続手続きに関する業務を行っています。
行政書士・土地家屋調査士のプロフィールはこちら

法定相続情報証明制度とゆうちょ銀行について、
次のような質問をされることがあります。

  • 「法定相続情報証明制度はゆうちょ銀行にも対応してる?」
  • 「ゆうちょ銀行で法定相続情報証明制度を使う際の流れは?」
  • 「ゆうちょでは、法定相続情報一覧図に住所の記載は必要?」

あなたも同じような疑問をお持ちなのではないでしょうか?

この記事では、相続手続き業務を行っている行政書士が、
法定相続情報証明制度とゆうちょ銀行について、
1つ1つくわしく回答いたします。

スポンサーリンク

法定相続情報証明制度はゆうちょ銀行にも対応してる?

法定相続情報証明制度は、ゆうちょ銀行にも対応しています。

具体的には、ゆうちょ銀行で行う次の2つの手続きに対応しています。

  • 故人の貯金等照会の手続き(現存照会や現存調査とも言います)
  • 故人の貯金等の相続手続き

現在、これら2つの相続に関する手続きを行う際には、
被相続人や相続人の戸籍謄本類の提出の代わりに、
「法定相続情報一覧図の写し」を提出することができるのです。

このことは、ゆうちょ銀行のウエブサイトで、
よくある質問として回答されています。

Q 相続手続きの際、法定相続情報一覧図を戸籍謄本等の代わりとして使用することはできますか?

A 法定相続情報一覧図の写し(法務局から交付を受けた認証文付きの原本)を、戸籍謄本等に代えてご提出いただくことが可能です。

引用元: よくあるご質問 | 株式会社ゆうちょ銀行.「相続手続きの際、法定相続情報一覧図を戸籍謄本等… 」. (参照 2023-4-25)

ゆうちょ銀行で相続の際に行う手続きとしては、
具体的には「故人の貯金等照会の手続き」と、
「故人の貯金等の相続手続き」になります。

「故人の貯金等照会の手続き」というのは、
ゆうちょ銀行に存在している故人名義の貯金口座や、
投資信託、国債などの有無と、その内容を調査できる手続きです。

「貯金等照会の手続き」や「貯金等の相続手続き」では、
故人とその相続人の戸籍謄本類を提出して、
相続人であることを証明しなければなりません。

そこで、故人とその相続人の戸籍謄本類を提出する代わりに、
「法定相続情報一覧図の写し」1枚を提出して、
手続きを行うことが可能となっています。

ただし、もともと戸籍謄本類以外の必要な書類については、
「法定相続情報一覧図の写し」を提出しても、
同じように必要になるので注意が必要です。

ゆうちょ銀行で法定相続情報証明制度を使う際の流れは?

法定相続情報証明制度を利用した場合、
ゆうちょ銀行の相続手続きは、次の1~4の流れになります。

  1. ゆうちょ銀行又は郵便局の貯金窓口に相続確認表を提出する。
  2. 約1週間後に、貯金事務センターから、
    「必要書類のご案内」が郵送で送られてくる。
  3. ゆうちょ銀行又は郵便局の貯金窓口に必要書類を提出する。
  4. 貯金事務センターで書類審査が行われ、
    問題なければ、代表相続人のゆうちょ口座に入金される。

それでは1つずつ簡単に解説していきます。

1.ゆうちょ銀行又は郵便局の貯金窓口に相続確認表を提出する。

ゆうちょ銀行で相続手続きを進める場合、最初にする事は、
相続確認表2枚と相続貯金等記入票1枚にそれぞれ記入して、
ゆうちょ銀行の窓口か、郵便局にある貯金窓口に提出することです。

相続確認表2枚と相続貯金等記入票1枚の例
(相続確認表2枚と相続貯金等記入票1枚の例)

ゆうちょ銀行の窓口か、郵便局の貯金窓口なら、
どこの窓口でもかまいません。

この段階では、「法定相続情報一覧図の写し」はまだ必要ありません。

2.約1週間後に、貯金事務センターから、
「必要書類のご案内」が郵送で送られてくる。

相続確認表と相続貯金等記入票を提出した約1週間後に、
ゆうちょ銀行の貯金事務センターから、
「必要書類のご案内」が郵送で送られてきます。

被相続人の遺言書の有無や、
家庭裁判所で相続放棄した人の有無など、
ケースによって必要書類がそれぞれ違ってきます。

ただ、被相続人と相続人の戸籍謄本類については、
通常、どのケースでも提出が必要な書類です。

3.ゆうちょ銀行又は郵便局の貯金窓口に必要書類を提出する。

貯金等相続手続請求書」や相続人の印鑑証明書など、
「必要書類のご案内」に記載のある書類を、
ゆうちょ銀行の窓口又は郵便局の貯金窓口に提出します。

この時に、被相続人と相続人の戸籍謄本類を提出する代わりに、
「法定相続情報一覧図の写し」1枚を一緒に提出します。

なお、「法定相続情報一覧図の写し」のコピーではなく、
原本1枚を提出する必要があるので注意が必要です。

4.貯金事務センターで書類審査が行われ、
問題なければ、代表相続人のゆうちょ口座に入金される。

必要書類を提出した後、貯金事務センターで書類審査が行われ、
書類に不備不足など何も問題なければ、約1~2週間程度で、
代表相続人のゆうちょ銀行口座に入金されて手続き完了となります。

ゆうちょでは、法定相続情報一覧図に住所の記載は必要?

法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載した例
(法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載した例)

ゆうちょ銀行の場合、法定相続情報一覧図に、
相続人の住所を記載しても記載しなくても、
どちらでもかまいません。

なぜなら、ゆうちょ銀行の「貯金等照会の手続き」や、
「貯金等の相続手続」では、相続人の印鑑証明を添付するため、
その印鑑証明に記載されている住所で、相続人の住所を確認するからです。

ただ、ゆうちょ銀行以外の相続手続きも予定していれば、
法定相続情報一覧図には、
相続人の住所も記載しておいた方が安心と言えます。

スポンサーリンク