この記事の監修者

行政書士・土地家屋調査士 寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
保有資格:行政書士、土地家屋調査士。
取扱い分野:法定相続情報証明制度など相続関連手続き全般。

経歴:開業以来17年間、相続手続きに関する業務を行っています。
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法定相続情報証明制度を利用する場合、
本人確認はされるのか?

もし、本人確認がされるのであれば、
具体的に誰の何が必要になるのか?

このぺージでは、上記それぞれの疑問について具体的にご説明いたします。

結論から言いますと、法定相続情報証明制度を利用する場合、
制度を利用する申出人の本人確認が、書面によって行われます。

法定相続情報証明制度の申出人というのは、
相続人の内の1人であり、
法定相続情報証明制度の手続きを進める人のことです。

そして、申出人の住所と氏名を確認できる公的書面によって、
申出人の本人確認がされることになります。

申出人の住所と氏名を確認できる公的書面とは、
具体的には次の4種類の内から、
いずれか1点を申出人が任意で選択することができます。

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • 住民票
  • 戸籍の附票

以上の4種類の内、いずれか1点によって、
申出人の本人確認が行われるということです。

それでは、このページの下記で、
本人確認に運転免許証を選択する場合と、
本人確認にマイナンバーカードを選択する場合
本人確認に住民票又は戸籍の附票を選択する場合について、
それぞれ具体的にどうすれば良いのかをご説明致します。

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本人確認に運転免許証を選択する場合

本人確認に運転免許証を選択する場合、
申出人の運転免許証の表面と裏面のコピーが必要になります。

ただ、運転免許証の表面と裏面を、
コピーするだけで良いかと言えば、そうではありません。

運転免許証をコピーした用紙の余白に、
『これは原本と相違がありません』という文章と、
申出人の氏名をボールペンなどのペンで署名する必要があります。

もし、申出人の氏名のハンコ(ゴム印)が手元にあれば、
ハンコ(ゴム印)でも良いのですが、
その場合はかならず、申出人の氏名の横に申出人の印も押す必要があります。

そのため、申出人の氏名を署名した場合でも、
ハンコ(ゴム印)を押した場合でも、
申出人の氏名の横には、申出人の印も押印しておくと間違いありません。

ただし、申出人の印については、いわゆるシャチハタではなく、
法定相続情報証明制度の利用の申出書に押す印と、
同じ印鑑で押印する必要があることには注意が必要です。

本人確認にマイナンバーカードを選択する場合

本人確認にマイナンバーカードを選択する場合、
申出人のマイナンバーカードの表面のコピーが必要になります。

ただ、申出人のマイナンバーカードの表面を、
コピーするだけで良いかと言えば、そうではありません。

マイナンバーカードの場合、個人番号については知らせる必要がないので、
コピーしたマイナンバーカードの個人番号の記載部分については、
黒く塗って見えないようにしておく必要があります。

そして、マイナンバーカードの表面のコピーをした用紙の余白に、
『これは原本と相違がありません』という文章と、
申出人の氏名をボールペンなどのペンで署名する必要があります。

申出人の氏名を署名ではなく、ハンコ(ゴム印)で押しても良いのですが、
その場合はかならず申出人の氏名の横に、
申出人の印を押さなければなりません。

そのため、いずれにしても、申出人の氏名の横には、
申出人の印も押印しておいた方が良いです。

ただし、申出人の印については、
申出書に押す印鑑と同じ印鑑で押す必要があることには注意が必要です。

本人確認に住民票又は戸籍の附票を選択する場合

本人確認に住民票又は戸籍の附票を選択する場合は、
申出人の住民票又は戸籍の附票の原本もしくはコピーを提出する必要があります。

ただ、申出人の住民票も、戸籍の附票も、
役所で取得しなければならない手間と、
役所の発行手数料がかかることになります。

住民票は、通常、1通300円~450円、
戸籍の附票は、通常、1通200円~300円程で、
役所に発行手数料として支払う必要があるわけです。

しかし、法定相続情報証明制度利用の必要書類である「法定相続情報一覧図」に、
相続人(申出人を含む)の住所を記載する場合には、
結局、相続人(申出人を含む)の住民票又は戸籍の附票が必要になります。

そのため、「法定相続情報一覧図」に住所を記載する場合には、
申出人の本人確認の公的書面として、
住民票又は戸籍の附票を選択しても良いと言えます。

「法定相続情報一覧図」に住所を記載する場合には、
申出人の住民票又は戸籍の附票の原本の提出が必要になるので、
コピーを一緒に提出して、原本を戻してもらうことも可能です。

逆に、「法定相続情報一覧図」に住所を記載しない場合は、
申出人の住民票又は戸籍の附票のコピーの提出だけでかまいません。

ただし、申出人の住民票又は戸籍の附票のコピーを付ける場合は、
どちらも用紙の余白に、『これは原本と相違がありません』という文章と、
申出人の氏名の署名と、申出人の押印が必要です。

では、申出人の住民票か、
戸籍の附票のどちらを取得した方が良いかと言えば、
戸籍の附票を取得した方が、ほとんど手間がかからないと言えます。

なぜなら、戸籍の附票は、戸籍謄本を取得するときに、
同時に取得できる書面だからです。

相続手続きでも、法定相続情報証明制度を利用する場合でも、
相続人(申出人を含む)の戸籍謄本は、
手続き先に提出が必要とされている書面です。

そのため、申出人の戸籍謄本を役所から取得するときに、
戸籍謄本等の請求用紙の戸籍の附票の欄にもチェックを入れれば、
戸籍の附票も同時に取得できるので効率が良いわけです。

逆に、申出人の住民票を取得する場合は、
役所への請求用紙が別の用紙になるので、
少々手間がかかることになります。

ちなみに、法定相続情報証明制度での本人確認は、
申出人の運転免許証、マイナンバーカード、
住民票、戸籍の附票の4種類以外にも認められる場合があります。

具体的には、国民健康保険証などの公的な書面になりますが、
上記の4種類以外を本人確認書面としたい場合は、
事前に手続き先の登記所への確認がかならず必要です。

また、代理人が法定相続情報証明制度の手続きを行う場合でも、
申出人の本人確認はされます。

代理人が手続きを行う場合でも、申出人の運転免許証のコピー、
マイナンバーカードのコピー、住民票、戸籍の附票の4種類の内、
いずれか1点を法務局に提出する必要があるということです。

さらに、代理人が法定相続情報証明制度の手続きを行う場合には、
代理人の本人確認もされることに注意が必要です。

代理人になれる人は、申出人の法定代理人や、
申出人の親族、行政書士などの国家資格者です。

もし、申出人の親族が代理人の場合は、
親族であることのわかる戸籍謄本等のコピーを、
代理人の本人確認書面として提出しなければなりません。

もし、行政書士などの国家資格者が代理人の場合は、
代理人が所属している団体の身分証明書のコピーを、
代理人の本人確認書面として提出しなければなりません。

ただ、行政書士などの国家資格者が代理人になる場合には、
本人確認書面については、申出人の分も含めて、
通常、代理人の方で準備してもらえますので安心です。

以上、法定相続情報証明制度を利用する場合の本人確認についてご説明致しました。

これで法定相続情報証明制度を利用する場合の本人確認について、
疑問や悩みをすべて解決することができますね。
法定相続情報証明制度を利用される方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、法定相続情報証明制度の本人確認について、
他に疑問点やご質問がある場合には、
お問い合わせのページからお気軽にお問い合わせいただければと思います。

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